

アーティストステイトメント
紙で作られた立体は中身が空洞で、その表面は写真を白黒コピーしたイメージの切り貼りで覆われている。作品に使用されるイメージは日常的に目にする雑誌や本等の印刷物またはインターネットなどのメディア上の画像等から引用されている。
メディアを流通する記号的イメージを、存在の領域に移し替えることで、視覚情報を入り口とした脳による情報の理解を、身体性や内臓感覚を伴った「見る」という総合的な体験へと移行させる。それは子供の頃に見た本や雑誌の中の写真や物語を、安定した主体ー対象関係の上で情報として理解するのではなく、自分の存在の基盤をゆるがすような強烈な実在としてダイレクトに関係してしまった原体験に基づいている。
情報源との直接的なコネクション、または、日本の歴史的/文化的な背景とも離れた、情報の洪水の表面的な影響下で育ったことが、私の作品の基盤となっている。編集され、コントロールされた断片的な情報からある全体を再構築する為の場を、作品を通して提示する事。そこで生み出される「全体」が何であるのかということと、それが世界に反映されていく過程に関心がある。
軽く薄いものを、質的、量的、意味的に重くする事によって厚みを出すのではなく、時間的に、点在し積み重ならない形で引き延ばす事ができるか。そのようにして対象と関係する事が可能であるかという事を考えて制作している。